変人か変態か、それが問題だけどそんな次元じゃなかった
子安武人さんと言えば、キチガイネタキャラが人気な、「テラ子安な」という形容詞があるほど微笑ましさと安心感が同居する愛され声優の一人。

「私がこの屋敷の当主ロズワール・L・メイザースというわ~けだよ」
役どころもある程度決まっていて、DIOのようなカリスマと最強っぷりを発揮するキャラ、軍曹やボーボボのような珍ネタキャラ、エヴァの青葉のようなどこ吹く風な、だけどお兄さん肌な青年の3者のイメージがあります。

▲ 個人的にはレザード・ヴァレスのような異端の魔法使いの印象が強い。
昨今では重鎮感もありますし、監督さんの狙いや指示もある程度絞られているとは思うんですが、今回のリゼロに際してはどうだったのでしょうね、

少なくとも、変人寄りか変態寄りかで言ったら、ラムを愛で、エミリアも庇護できる亜人趣味もとい亜人に対する理解はあるけど、スバルに決して激情を見せない辺りロズワールは人間ができていて、変人寄りで、その往年の微妙な匙加減はしみじみと感じるところでした。(ある意味スバルが傑物に見えてくるから不思議。)
強さが先天性的に備わっている人間に欠けているもの

そんなロズワールの一つの軍隊に匹敵する筆頭宮廷魔導士の力もそうですが、それにしてもスバルの周りには力量こそ超絶級に強いことはもちろんですが、加えてひどく温厚なキャラがよく集います。特に男性キャラ。(正確にはひどく優しい接し方をする、なのだけど。)
その理由を簡単に言うなら、カリスマ性溢れる王戦候補者である女性キャラたちや騎士たちが口を揃えてストレートに言い放った、「弱いものいじめをする気にならない」に尽きるのでしょうね。

「何が化け物狩りは自分の領分だ!お前の方が十分化け物じゃねぇか!」
「そう言われるとさすがに僕も傷つくよスバル」
▲ エルザ戦でのラインハルトは救世主感もすごかったけど、ガラスの王子様感も印象的だった
ただラインハルト、ロズワール、ヴィルヘルムにユリウスに。性格が温厚であることはアニメ界隈では基本的に美点になりますけど、ことスバルに手を差し伸べる男たちのその優しさは、周囲から甘いときつめに言われることもしばしば。
スバルへの言動・仕打ちが、あまりにも弱者であるがために騎士道精神、あるいは男の矜持に反するものにならないか。ユリウスを始めとしたその言わば男らしい苦悩の様子はあまりにも真面目に、あまりにも生々しく描かれていてもいて。

スバルに剣の稽古をつける老兵のヴィルヘルムなどは、スバルの目を見て、「一度ならず数度、死域から舞い戻る存在を私は知りません」と言って気にしますし、リゼロらしい部分があって面白いなと思わされたところではあるのですが、
彼ら傾国の傑物たちが必要以上にスバルを気にするのは、エミリアの存在、異世界転送話ではよくあるマヨネーズや芋判を生み出す識者兼愚者の物珍しさなどももちろんあったでしょうけど、やはりそんな、でも弱き者には変わりはないスバルが、魔女の匂いをさせながら、あるいは時々理由の判然としない絶望と死線を感じさせる剣幕を見せながら、身の程を通り越して突き動かされるものの正体を知りたいからなのかもしれません。それを一口に強者という才能を与えられた者が、失うかそもそも持っていなかった努力の日々の青春を重ねていると言えない辺り、リゼロはサスペンス作品でもあるんだなぁとしみじみ思わされるところでもあります。
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