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リゼロ(Re:ゼロ)/テレシア・ヴァン・アストレアの死因 「死神」と剣に愛され、花を愛した可愛すぎる剣聖

   

テレシア23
▲ パンチパーマの老兵はコンウッドという名前らしい

白鯨の討伐を終えたクルシュ、アナスタシア、エミリアの三陣営、もとい、我らが主人公スバル。(わんわんかっこよかったぜ…。

その打開までには、先日のラインハルト・ロズワール記事でも触れたところですが、1章ではラインハルト。2章ではロズワール。そして、今回の白鯨戦ではヴィルヘルム(それからクルシュたち)という最強格な助っ人がスバルを助けてくれました。

テレシア_ヴィルヘルム
「スバル殿、改めて感謝を。この戦いで私は私の剣に答えを見つけられる。妻の墓前にもやっと足を向けることができましょう」

中でもヴィルヘルムは、先手を切ってクローズアップされた助っ人キャラ。白鯨を討つのは嫁、テレシア・ヴァン・アストレアの仇討だと語ります。

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アストレア家に代々継承されてきた『剣聖の加護』

テレシア_ヴィルヘルム5
▲ 三男坊だから兄たちとは別のやり方で家を助けたいという想いが底にはあった

顔が出ていないし、髪の艶も少ないので不確定だけど、実はひょっこり12話で出ていた少年期のヴィルヘルム。(この頃のヴィルヘルムに、なんとなく筆者は.hack ROOTSのハセヲを思い出しました。)ヴィルヘルムの生涯は剣に魂を売ったという形容がなるほど相応しいですが、それをも軽く凌いでいたのがラインハルトと同じ剣聖のテレシアでした。

テレシア4
剣聖は、その身に『剣聖の加護』が与えられた者だけが到達できる超人的な剣の達人の称号。『剣聖の加護』は一応限定的な加護の一つでもあって、与えられるのはアストレア家の者のみですが、王選の候補者が徽章が光ることによって決められるように、いくらかランダムな要素もあって、アストレア家の誰が加護を継承するのかまでは家の者でも分かってはいませんでした。

確実に分かっていたのは、現剣聖と次なる剣聖の「継承の瞬間」だけでした。(言わば剣神の神託とかそんな感じなんでしょうね。)

剣を持たず、花を愛でた理由

テレシア7
一応剣聖の家系ということで、女の子といっても厳しい鍛錬は積んでいたテレシア。元々剣聖も剣自体の方にも興味がからっきりだったのもありますが、あることに気づいて剣を持つのを拒むようになります。

あること、とは自分の持っている『死神の加護』の恐ろしさ。この加護は傷つけた相手の傷口を治さない効果がありました。つまり、テレシアのつけた相手の傷からはいつまでも血が流れるということ。

能力そのものはいわゆるじくじくとダメージを与えていく毒系の能力に近く、使いようによっては強力な加護でしょうけど、治しようはありませんでしたし(後々には意識的にできるようになる)、例えば皿を割ってしまい、その皿の破片を直後に踏んだ人間の足の傷も対象なのか、そんな能力の詳細を調べられないくらいにはテレシアは普通の優しい女の子でした。なにより誰かと日常生活が困難になる恐ろしさは、女の子ですからね、恋愛や幸せな結婚の夢も潰えてしまったことをも意味しました。

テレシア10
そこで病み、性格がねじくれなかっただけ、孫のラインハルトがそうであるように、強者の孤独に耐えうる、最強の加護を与えられるだけの天分はあったのかもしれません。

テレシア9
「花は好き?」

人付き合いも極力避け始めたテレシアはやがて、花壇で花を愛でるようになりました。(動かないし、花壇で仕切りを作れば死神の加護の効力も見ずにすみますしね。)家の者も、剣の鍛錬が剣聖の加護を与えられる最も近い道だと考えていたので、鍛錬を拒絶したテレシアを追い出さないまでも歳相応の女の子の扱いをします。

テレシア12
特に横顔が美しいという美貌、ぷ~っとむくれる喜怒哀楽の豊かな性格の可愛さもあったのでしょうね、優しい長兄はそんな妹を溺愛しました。

「――? ひょっとして、私が選ばれた?」(web5章73より)

ですが、その時は来てしまいます。血のにじむような研鑽を積んでいた兄たちが、努力を怠り、だけどそんな自分たちを無視するかのように選ばれた優しい妹に何を思ったのか。

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突如兄たちに対して赤子をひねるような力を得てしまったテレシアは、引きこもり、発狂し、髪を掻き毟った末、周囲の期待などもあって、運命を受け入れざるを得ませんでした。

テレシアのその後と死因

テレシア22
アニメで白鯨討伐中に描かれていたヴィルヘルムの追想、「どうして剣を振るの?」のエピソードはちょうどこの前後の時期にあたっています。

テレシア20
「そんな顔をして…剣なんて持ってるんじゃねえ」
「私は剣聖だから。その理由がわからないでいたけど、わかったから」

▲ ヴィルヘルムへの助言で言った「守るため」はテレシアの決意も促した

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魔法的な技以外での純粋な剣の腕ですが、そんな一騎当千の剣聖に修行して打ち勝ったのですから、ヴィルヘルムの努力、もとい愛の力は相当ですね。(具体的な『剣聖の加護』の強さは、見ているだけで相手の攻撃の種類・タイミング・殺気・隙などが即座に見えることはもちろん、刃の類、包丁を持っても最適な攻撃角度が瞬間的に分かること。)実はテレシアの方が惚れるのは早かった、一目惚れだったことが後々語られます。

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「お前が剣を振る理由は俺が継ぐ。お前は俺が剣を振る理由になればいい」

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プロポーズにあたり、前代未聞、『剣聖』を辞めさせたため、ヴィルヘルムが代わりに近衛騎士団長となり、ボルドーが戦果を挙げすぎた末議会に席が設けられたり、子供も生まれるなど、二人の身辺は色々と忙しくも充実した日々を送っていました。

ここでハッピーエンドとならないのがリゼロ

テレシア18
ただ、息子のハインケルは歪みました。その嫁ルアンナが『眠り姫』という謎の病に伏したことによって。(剣聖でなくとも努力をし続ければいずれ…というプレッシャーなどのいわゆる“二世児の事情”なんかもあるのでしょうね。)そんな二人に愛されようと稀有な才能を宿していたラインハルトはストイックに努力を重ねていました。

名ばかりとなってしまっていたハインケルの近衛騎士の地位はやがて、白鯨討伐の参戦を強います。色々な面で責任を感じていたテレシアはハインケルの代わりに、主婦の方がずっと大変と考えたりもしていた長年封印していた力――剣聖として出ることを決意します。

テレシア_ヴィルヘルム6
「――無様」

その際に「追わずにすむでしょう?」とヴィルヘルムにつけた傷はいつまでも残り続け、白鯨戦後も、皮肉にも生涯をかけて追わせることになりました。(アニメで描かれるかは微妙なところ。)

ちょうどその討伐戦で剣聖の加護を失い、テレシアは没します。実際は魔女パンドラが殺したのですが、「このタイミングで剣聖の加護がラインハルトに継承されたために勝てず、死んだ」という事実は風聞として残りました。

家を捨ててがむしゃらに嫁の仇を討とうと奔走するヴィルヘルム。
嫁は眠り続け、努力を続けても自分の子に負け、母を失い、父に出奔されたハインケルが病まないというのも難しく。
そして幼くして風聞を受け止めて剣聖をまっとうするラインハルトもまた歪な両親を見ていたのもあって、スバルが見抜いたようにどこか歪んでいました。

テレシア17
ハインケルとラインハルトにまつわる家族離散の悲劇と闇は紛れもなくヴィルヘルムの類稀なストイックさを受け継いだ結果でもあって。そうした戦いに不器用で狂気も内包する男と花を愛する純朴な少女の物語は、定番中の定番を通り越して寓話めいてもいるサブエピソードの一つですが、その後の現実も描く生々しさ、伏線蒔き・回収というリゼロらしさもあり、ヴィルヘルムを中心とするこの物語はその実、惚れ惚れするほどの懐かしさすらあります。

テレシア_ヴィルヘルム4
「――感謝を」

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