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落第騎士の英雄譚/最強×菩薩な主人公黒鉄一輝 それでも卑怯と権力、それからステラの魅力には勝てない

      2015/11/18

菩薩_一輝1
大体の物語は、主人公の成長物語と言い換えることができます。主人公を成長させてくれるのは主人公の尋常でない努力と熱意はもちろんのこと、過酷な環境、それから周囲の人間、つまり、主人公の味方になってくれる仲間たちや敵役たちです。

主人公の性格が善寄りなら敵となるのは悪寄りのキャラクターで、逆に主人公の性格が悪寄りなら敵となるのは善寄りのキャラになります。例えば天使が主人公なら悪魔が敵になりますし、悪魔が主人公なら天使が敵役になるのが物語のセオリーというもの。(萌えアニメは除く。)

このセオリーが現代でもどれほど重視されているのかは、ありとあらゆる物語を読破しているわけではないですし、洋画における「神話の法則」くらいしかとりあえずは出てきませんけど、やっぱり主人公の苦難を乗り越える力っていうのは外せない盛り上がり所の一つだなぁと、どんな物語を見ていても思うところ。

優しい心を持つのは主人公の共通事項のようなもので、「菩薩系」には優しい心の上位互換以上の強みはそれほどありません。ですがそれでも自分に被害がきても耐え忍び、そして最終的には許す性格をもった、“馬鹿ではない上に最強な”主人公というのはあまりいません。

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菩薩系主人公でのクズ出現率

菩薩_桐原2
やり返せば停学という状態を知った上でちくちくと攻撃してきたり、詫びを入れながら瓶で思いっきり頭を殴ってきたり、いわゆるクズと呼ばれる彼らの所業は留まるところを知りません。(それからあの描き方だと桐原戦の観客もクズでしょうね。)

菩薩_蔵人2
落第騎士の世界でクズとカテゴライズされる人間がどういう人間なのか。それは他の物語と同じく主人公の最強っぷりを遠慮なく見せつけられる相手として序盤で知ることができ、一介の皇女ですらも裸にすることに何の躊躇いがなく、その後自分にどんな仕打ちが返ってくるかを、常に目の前の金と、魔法が存在する世界での重火器という中途半端な武力で簡単に勘定することができる人間だというのを教えてくれます。

菩薩_ビショウ1菩薩_ビショウ2
ビショウは犯罪組織のリーダーであり、そんな真性とも言えるクズは、一輝の一刀修羅と雷光のもと切り伏せられました。

菩薩_桐原菩薩_桐原1
菩薩系主人公一輝の“鬼”はそこで終わり、次なる桐原静矢にはあんな心身両方でボコボコにされても鼻筋に薄い傷をつけるに終えましたし、「一輝塾」の女子率に嫉妬して襲い掛かってきた先輩たちも、笑顔で弟子として迎えます。菩薩系主人公ここにありけりといったところ。菩薩系主人公の不遇の確率…。ただし、菩薩だけでは菩薩にはなり得ず。

最強×菩薩 それでも卑怯と権力には勝てない

菩薩_蔵人
「全てを奪った相手に対して実力で倒す」という名目はある意味潔いと言えましたけど、事前の罠など、やはりズルであることには変わりなかった綾辻絢瀬。

菩薩1
そんな彼女の罠を認めたうえで手を差し伸べるのはやはり菩薩系ならではですが、その勝利、約束する打倒倉敷蔵人は、やはり自分の強さがあってこそ。ただ、菩薩であるために、優しい心を持つがために苦労を背負っても厭わない主人公はたくさんいますが、一輝に関しては本当は最強なんだけどその考えといえば麻痺してしまっています。その長い年月をもって培ってしまったネガティブな性格のもとに。

菩薩_ステラ
その最強×菩薩の不幸のほどは、黒鉄家からの仕打ちも含めて、もう少し続きますけど、一輝は段々と「ステラがいてくれたからここまでやってこれた」と思うようになります。その成長は本来の分析肌が忘れそうになるくらいとても微笑ましいもので、いや、ステラは興奮してるだけだし(笑)、一輝はもっと楽してもいいんだよってちょっと口添えしたくなる感じが、落第騎士の英雄譚の面白さなのかもしれません。

 - 落第騎士の英雄譚

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