クロムクロ/25話感想 戦いが終わった平和な世界に勇者はいらない!? 世界に裏切られ捨てられる英雄達の末路と武辺者の決意!
2016/10/04
レフィル隊長操るラスボス・オーガとの黒部最終血戦を征し、寸でのところで超空間ゲートの停止に成功したクロムクロと地球軍。しかし勝利の余韻に浸る間もなく、事態は新たな方向へと動き始めます。
侍が己の信念に動き出すクロムクロ第二十五話『鬼の見た夢』のレビューです。
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2016/10/04
レフィル隊長操るラスボス・オーガとの黒部最終血戦を征し、寸でのところで超空間ゲートの停止に成功したクロムクロと地球軍。しかし勝利の余韻に浸る間もなく、事態は新たな方向へと動き始めます。
侍が己の信念に動き出すクロムクロ第二十五話『鬼の見た夢』のレビューです。
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▲ 遙かなる時を超えた因縁、決戦を征した剣之介――しかしサムライの戦いはまだ終わらない!
戦後処理に追われる黒部研究所。地上施設はほぼ壊滅、何と言っても研究所直上に全長全高1キロを超えるエフィドルグ母艦が鎮座したままです。
不老不死、重力制御、クローンに洗脳制御、そして超空間ゲート…人類を遥かに超えたテクノロジーの数々に国連や大国上層部の間に漂う不穏な気配。異星人との戦いが終わったのも束の間、次に彼らの前に現れた敵は同じ人間でした。
大国のエゴに翻弄される人々。彼らもまた決断を迫られます。
一方その頃学校に登校した剣之介と由希奈はクラスメイトに勝利を祝福されます。
先に登校していたソフィーも歓待を受けた模様。それにしても上半身をふっ飛ばされたガウス1でしたが怪我一つしてないようでなによりです。
かつてゼルとその仲間達は、ゼルの星を飛び立った先遣隊を追うためエフィドルグの船を奪い、そして地球侵略を始めた先遣隊に船に船をぶつける特攻で計画を頓挫させました。恐らくこの時に枢石は分解、地球のあちこちに散らばってしまったのでしょう。
母艦を離脱したエフィドルグの生存部隊は偶然富山の地に降り立ち、鷲羽の城に攻め入ります。ここを根拠地にするために。
雪姫はやはり最初の拉致でエフィドルグに捕らわれていました。現地協力者を探していたゼルは仲間と共に敵基地に潜入、たまたま一人生存していた雪姫を救い出します。
なおこの時イムサ似の人物が死体の山の中に見受けられます。この時採取された雪姫含む遺伝子データがエフィドルグ本隊に通常通信で送られたのでしょう。
雪姫「構わぬ…骸となりて仇を討とう」
ゼルに保護された雪姫。雪姫救出隊に参加した剣之介がゼルと一緒にいる彼女の姿を目撃したのは丁度この時だったのでしょう。カクタスの攻撃で重傷を負った剣之介はゼルによってもう一人の纏い手として見い出され、治療を受けました。
雪姫「我が子孫が星々の世界に旅立つか…彼奴らの非道を止めねばなるまいな」
雪姫は鷲羽の仇を、そして未来に希望を繋ぐために纏い手となって戦うことを決意します。今回のゼルの話で認識のズレこそあれ、剣之介の記憶が正しかったことが無事判明。
ゼルと雪姫の想いに剣之介は感銘を受け、感謝の言葉と共にゼルにこれまでの非礼を詫びるのでした。
ゼル「しかし未練だな。どうしても死ぬ前に一度、故郷をこの目で見たいと願ってしまう」
剣之介「ゼル殿…」
ゼル「だが…私に残された時間ももうない。このまま朽ちていくのみだ…」
レフィルの言葉によってゼルの星では今だ反乱軍とおぼしきゼルの仲間達(?)が抵抗をしていることを知ります。また第三勢力とおぼしき『反エフィドルグ連合』の存在とその激文が全宇宙に飛ばされ、現在雌雄を賭けた決戦の最中であることも……
しかし現在の人類にはどうすることも出来ません。ゼルの星まで通常航行では光の速さでも片道220年以上かかります。あまりにも遠い距離です。
虜囚のムエッタを慰問するために研究所を訪れた剣之介と由希奈。しかし彼らの前で体調の悪さを訴えるムエッタ。実はドクターハウゼンから薬を盛られていたのです。
入場ゲートではこれまで携帯許可の下りていた刀を没収されたり、新たな国連兵はこれまでより重装備になっています。剣之介やムエッタ達の反乱も懸念材料の一つでしょうが、あるいはオーバーテクノロジーの独占を狙った大国や企業の侵攻を牽制するための処置なのかもしれません。
激高する剣之介にパラライザーを撃ち込むドクター。どうやら医者の時間は終わり、マッドドクターの時間がやって来たみたいです。
いつの時代も兵は駒。利用価値が無くなれば処分される――この時代に自分達の居場所が無いことを剣之介は痛感します。
剣之介はある決意を持ってゼルと面会します。
その剣之介の案を聞いたゼルは「狂気の沙汰だ」と呟きます。しかし同時に万に一つの勝機があるとも――
翌日、剣之介は由希奈を誘って遊園地に行きます。幸せの時間を満喫する二人。ここはやはりP.A.WOKS御用達のミラージュランドでしょうか?(笑)
由希奈「どうしても行かなきゃいけないの?」
剣之介「…!?」
由希奈「ゼルさんの星に二人を連れて行ってあげるんでしょ?」
二人っきりの観覧車の中、なかなか言い出せない剣之介を見かねて自分から話を切り出す由希奈。由希奈は剣之介の決意に気付いていました。
由希奈「私を嫁にするって言ってたよね?あれって嘘だったの!?」
剣之助「…あれは反故になった」
由希奈「勝手に反故にすんな!」
救って貰った命、託された想い、施された恩義に報いるため銀河の海へ飛び出す決意を固めたサムライ。しかしそれは万に一つしか勝ち目の無い、そして帰れぬかもしれない戦い――最愛の人を連れて行く訳にはいきません。不器用な剣之介の優しさがあまりにも哀しいです。そして別れを告げられた由希奈は一人ゴンドラの中で涙するのでした。
ですがまだ由希奈のターンは終わってはいません。この半年で成長した普通の女子高生が下す結論は…?
第2クールのもう一人のヒロイン、ムエッタさん。今回レフィルの話から自分が作られた存在であると改めて知らされ激しいショックを受けます。
しかし同時にゼルとの会話から、自分の記憶にある『星と両親の思い出』が造り物の記憶とはいえ、確かにその景色が存在するという事実を知ります。
ムエッタ「私は故郷の夕陽を見たい。たとえそれが偽りの記憶だとしても、本当にあるというのなら、この目で見てみたいのだ…」
偽りの記憶。しかしそれは確かに実在する――ならばそれを一目見てみたいという願望を持つムエッタはそのためならどんな恥辱の中でも生き延びようと考えます。
自由と引き換えにスタンチョーカーを身に着けることを受け入れたムエッタ。ちなみに同時期からゼルさんも電撃首輪を着けています。
今回トムは本国からの命令書を燃やしてしまいした。恐らくは(米軍への)原隊復帰命令辺りでしょう。纏い手、つまり不老不死になった訳ですからね。米国が自分のところで確保、独自に研究したいと考えるのは当然です。
命令書を燃やしたのは本国に戻れば一生モルモット生活になることがトムには分かっていたのでしょう。地球を救った英雄達に押し寄せる試練。義に篤い武辺者の決意。仲間思いのトムもまた行動を起こしそうな気配です。
いよいよ残り1話となったクロムクロ。富山の地から始まった侍の戦いはまさかの展開へと発展するのでしょうか? そして由希奈の出す答えは?
次回ついに最終回。サムライの生き様に期待しています!
(ごとうあさゆき)
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