トゥラーンの若獅子
アルスラーン戦記は、アルスラーンという一人の少年が様々な苦難を乗り越え、王に至るまでの軌跡を描いた物語ですが、その覇道は、「十六翼将」と呼ばれる将軍たちの力あってこそ。
十六もの将というだけあって、誰しもがその個性は豊か。
立場にしても万騎長から、ギーヴのような吟遊詩人、ファランギースの女神官を始め、山賊だったアルフリード、ジャスワントなどの異国の将ですら在籍しています。(案外ここまで“真面目に”より取り見取りな陣営、戦記ものもなかなかないかもしれませんね。ゲームだとファイヤーエムブレムなど、シュミレーション系で仲間はたくさんいるんですけど。)
そこに数えられることになるジムサもまた、遊牧国家トゥラーンの若き将。敗戦の将として捕縛されるのですが、不運にもちょうどアンドラゴラス王が帰還し、その処遇は処刑。
といっても、ジムサはキシュワードとザラーヴァントによって無事逃げ延びることができます。
アルスラーンの恩謝によって逃がされ、結果陣営に加わることとなったジャスワントのギーヴ曰く「お堅い」経歴とよく似ていますが、ジムサを逃がしたのが殿下でない辺り、アルスラーン陣営への殿下が与えた影響を示す人物でもあります。
吹き矢の名手はトゥラーン国代表として
そんなジムサが得意とするのは、遊牧国家のトゥラーンの人らしく、騎馬術と、それから吹き矢。
戦場では剣や弓などの武器が大手を奮いますけど、屈指の猛将クバードが油断をしたように、1vs1なら、その奇襲性は馬鹿に出来ません。
▲ 馬の方に吹き矢を当てられ、クバードは落馬した
加えてジムサは意外と戦略的な部分に長けてもいて、アルスラーンがエクバターナを開放し、王となった際には、イスファーンと同じく万騎長と千騎長の間の「統制官」(ミフラーン)として活躍していきます。
キシュワードとも縁が続き、二人の仲のほどはさながら、かつてのバフマンとキシュワードを思い起こさせるほど。
オフルールという身寄りのなくなった少女を庇護し、専らキシュワード家に預けはするものの、死後には財産の全てをオフルールにゆだねる、優しい青年の一面も持ち合わせてもいます。(そして、彼女はキシュワード家の養子となるのでした。)
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アルスラーン戦記
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