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幼女戦記/12話感想(終)ょぅι゛ょの戦いはこれからだ!真の世界大戦はここから始まる!

   


戦争を終わらせるための一撃――『回転ドア作戦』により歴史に残る包囲殲滅戦を敢行、共和国軍主力を蹂躙し勝利を収めた帝国軍。しかしそれは大戦の終わりを意味するものではありませんでした。

祖国を放棄し脱出、植民地へと逃亡を図る共和国残存勢力。帝国軍はみすみす戦いを終わらせるチャンスを見逃してしまいます。終わりのない泥沼へと突き進む幼女戦記第拾弐話『勝利の使い方』のレビューです。

11話感想

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砲声、未だ止まず


▲公式動画 第12話予告「勝利の使い方」

ライン戦線の包囲殲滅戦から数日後。敵の主力を撃破した帝国軍は直ちに共和国の首都パリースイィを制圧。ついに輝かしい勝利を手にし、長い戦争に終止符を打つのでした――


と思われた矢先、しかしターニャは失意のどん底にありました。

それは共和国の残存勢力がド・ルーゴ将軍を中心に本土を捨てて南方大陸に移動しようとしていたことを逸早く看破したものの、しかし後一歩のところで参謀本部より全軍に停戦命令が発令され、出撃する機会を失ってしまったためでした。


帝都は参謀本部、ゼートゥーア准将に直訴するため来訪したターニャでしたが、当の参謀本部は勝利の美酒に酔うためもぬけの殻。失意のまま去ろうとするターニャを呼び止めたのはレルゲン中佐でした。


レルゲン「共和国は首都を制圧されたのだ。これ以上の交戦は無意味、有害ですらある。この先も戦争を続けようとする理由が何処にある?」

そのレルゲンですら既に戦争が終わった気分に酔いしれていました。そこに冷水を浴びせるターニャ。失われてしまった大戦終結のチャンス――それは『天王山の戦いであまりにも勝ち過ぎてしまった』ことが大きな要因でした。

この作戦を遂行した本来の戦略目的――『敵の戦争継続の意思を挫く』が未達のまま、目の前の戦闘に大きく勝利してしまい、その勝利の美酒に酔いしれてしまったことが原因でした。


ターニャ「いかに近代化が進もうとも、いかに社会規範が浸透しようとも、人間は時として合理性よりも感情を優先する愚かな存在であるという事を…」

そしてターニャの指摘通り――大戦は終わりませんでした。

共和国軍のド・ルーゴ将軍は逃亡した南方大陸に亡命政権を樹立。それに伴い本土共和国も降伏を拒否――終戦交渉は破談となり、むしろ周辺諸国を巻き込み、戦争は大きく燃え広がることになるのでした。


画期的な作戦の成功で勝利を収め、これにて終わるはずだった世界大戦――しかしそれが一転、戦争は継続となり意気消沈する参謀本部に203大隊の隊員たち。

しかしいつまでも失意に落ち込んでいても仕方ありません。参謀本部は不利を承知で南方大陸への派兵、自由共和国壊滅のための戦力派遣を決定します。


ターニャ「クソったれの神に我らが戦場は不似合いだ。今こそ神の仕事を肩代わりしてやろうではないか! 我ら将兵の有る内は我々が神に取って代わるのだ!!」

大兵力を送り込めない以上、少数精鋭を派兵する他ありません。当然ターニャ率いる第203航空魔導大隊も南方大陸への遠征に選ばれます。
そしてターニャは部隊員を前に檄を飛ばします。


ターニャ「では戦友諸君、戦争の時間だ!」

世界大戦を終わらせるべく、神に成り代わって敵に厳しい現実を突きつけ、全ての戦場と祖国に勝利をもたらすべく戦うと宣言するターニャ。果たしてその誓いは達成されるのでしょうか――?

戦争理念のパラダイムシフト


今回の戦争終結の失敗は参謀本部の痛恨のミスでした。

合理性からパラダイム変換を図り、『戦争継続の意思を刈り取る』ことを目的とししつ、目の前の大勝利に『相手はこれで戦意を失うだろう』と判断してしまい、戦意を持った者を見逃すという失態を犯してしまいます。


あのゼートゥーアやレンゲルドルフですら一時の勝利の美酒に酔いしれてしまっていますから、これはもう人としての限界――仕方のないことだったのでしょう。

ターニャの言う通り、理知的な人物ほど『人間は合理的あり理性がある。そこまで愚かな判断はしない』という大前提が判断の元になっていますから。


しかし本土を捨ててでも戦争継続を行う、合理性より感情を優先するのが人間である――本来先の包囲殲滅戦は完膚無きまでに共和国の戦力を削ぎ、こういった『戦争継続の意思』や他国の『帝国侵略の意思』を封殺するはずのものでした。


准将「結局のところ、敵を倒しきれなかったことが問題であろう」

ゼートゥーアは反省をしていますが、攻め切れなかったというのはやや語弊がありますね。頭では戦略ドクトリンのパラダイム・シフトを唱えつつも、実際の実行段階においては目の前の大勝利に浮かれてしまった、あるいは西方司令部など現場に徹底出来なかったということです。でもこれも人間がやることですから致し方ありません。

ターニャの場合、ある意味異邦人なのでどこかゲーム的な視点で他人事のように戦略全体を俯瞰で見ることが出来ますから。しかも前世の知識も応用出来ますし。


帝国軍が最初に目標とするのは自由共和国軍。壊滅した欧州の他国の残存兵もこちらに合流、一大反抗勢力になる模様です。


帝国の東――連邦側では既に新たな動きが行われていました。戦車の軍勢が虎視眈々と帝国の動きを狙っています。


そして北は海峡の向こうに位置する連合王国も自由共和国への支援部隊の派遣を決定。航空魔道師の中にはあの光り輝く瞳を持った者も…?


そして遥か西。大洋を隔てた大陸――合州国でもまた自由共和国への支援のための義勇軍が動員されていました。


メアリー「もう二度と帝国によって家族を失う悲しみが繰り返されない世界を創る為に。そして神の正義をなす為に、主を信じる善良なる心に誓って 神の御加護があらんことを!」

アンソン・スー大佐の娘メアリーもまた義勇軍に参加を決意。その瞳が父親と同じく黄金に輝きます。メアリー以外にも存在Xの使徒である象徴――光り輝く瞳を持った兵士の存在やその兆候が見られ、今後ターニャの往く先々で激しい戦いになることが想定されます。

果たして自称創造主とやらはこの戦争を一体どこへ導くつもりなのでしょうか。

2期はターニャとメアリーの戦い?


当面の安全保障は確保されたものの、欧州大陸の中央部を征服完了したことで全方位から大きな圧力を受けることになった帝国。

今後南方大陸の砂漠戦、東方の雪原での籠城戦、連合王国首都空爆、合州国上陸阻止作戦――あらゆる戦局でターニャ率いる203大隊の活躍が予想されます。幼女の願いは虚しく、『合理的判断の出来ない愚かな人間を全て討ち滅ぼさない限り』この世界での戦争は終わりそうに、ひいてはターニャが望む安全と安心の出世は望めそうにありません。


▲ミニアニメ「ようじょしぇんき」#12

ネット配信のミニアニメも今回で終了。こちらでは『ターニャと203の愉快な仲間たち』のコミカルな日常を描いていて、これはこれで非常に好きでしたね(笑)


独特の設定とキャラデザイン、アクションシーンの力の入れっぷりなど、非常に見応えのあるミリタリーアニメでした『幼女戦記』。俺達の戦いは続く!的な終わり方を迎えましたので、是非このまま2期製作を期待したいところです。ターニャとメアリーの戦いをアニメで見たいですね。

さて、これまで長々と幼女戦記のレビューにお付き合い下さり本当にありがとうございました。またどこかでお会いしましょう!

(ごとうあさゆき)

11話感想

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