リゼロ(Re:ゼロ)/天然麗人クルシュ・カルステンはスバルにも「卿」と使って侮らない【白鯨戦後は…】
12話から始まっている王選編での新キャラたちは、主にもちろん、王選絡みのキャラクターたち。
王選とは、ルグニカの王を取り決める政治的な戦いの期間を言いますが、候補者たちの選定は徽章が光ることによって定められるため、投票制度などの市井の感情とは無縁です。
そんな中、候補者のうちの一人、クルシュ・カルステンは市井感情と最も近い存在であり、王選最有力候補とも言われています。
戦乙女クルシュ・カルステン
カララギのアナスタシアと票を二分している新緑のロングヘアーと礼装が印象的なクルシュ。(ちょっとアイドル衣装っぽい。)
ただ、王都の由緒正しい家柄のためにクルシュに大きく分があり、クルシュの誠実で実直な性格にしても、市井や賢人会などから王に推す声は絶えません。
また、騎士団に勝るとも劣らない技量を持つ武人でもあって、風魔法を織り交ぜた独自の剣技『百人一太刀』は、太刀筋を視認できないままに相手を無残に切り裂きます。
▲ 新OPのクルシュはかっこいい クルシュを「戦乙女」と呼ぶ声もある
努力家でもあり、そこまでの技量を持ちながらも驕りたかぶることもなく、かつて剣鬼と呼ばれた使用人ヴィルヘルムに稽古をつけてもらい日々鍛錬を惜しみません。
武人でありながら交渉にも長けた傑物
クルシュの性格からうける信頼感や、好感度は、武人のそれかと思うところですが、クルシュは武人が不得手な交渉術も長けています。
理由は簡単、クルシュの持つ加護、『風見の加護』は、相手の感情の風向き、つまり大体のところの嘘かどうかを見ることができるから。
チートっぽいですが、ルグニカもといスバルの転送された異世界では加護は才能よりも上位である「神に愛された証拠」という考え方。仮に加護の詳細を公にしたところでクルシュが交渉に長けるのも誰もが納得しますし、クルシュにしても、正道を体現する性格のままに“誰よりも恵まれた交渉術の教科書”を享受して、やがて自分のものとしていきました。
それは、賢人会をも納得させる男性顔負けの演説にも生かされ、クルシュは王選最有力候補の名を欲しいままにしています。
「にゃんでスバルくんたらここにいるわけ!?それにクルシュ様そんな無防備な格好で!」
▲ 特にそれは騎士であるフェリスが酔いしれてる(笑)
長身女子は性格がいいという傾向
誠実で、武と加護があり、家柄もよく、弁論にも長け、そして見目麗しい、出るとこも出ているスラリとした長身美人。驕り高ぶることもなく。
およそラインハルトとも似ている完璧超人もとい完璧女子でもあり、最有力候補も頷けるところなクルシュですが、弱点というか、至らない点はあります。
「フェリス。聞いた話と違うが」
「いやだなぁ~もう。フェリちゃんはただ酒宴でも開くのかもですね、って言っただけじゃにゃいですかあ」
「そうか」
アニメでは真っ先にその一つが出ていて、ポンコツな可愛らしさとして表現されていましたけど、武人肌であるがためのその素直さ。特に騎士であり、幼馴染でもあるフェリスに対しては、全幅の信頼を寄せていて、簡単に言い含められるくらいに疑うことをおよそ知りません。
王という職業が、人の果てしない欲望や私怨に打ち勝たねばならない部分に焦点を当てると、クルシュのその身内に対する純朴さ、それから下男であるスバルに対しても「卿」と使う誰に対しても対等であろうとする性分は、王らしい「タフさ」とは言えず、仇にもなり兼ねません。(信じやすいというのとは少し違うのだけど。)
▲ クルシュ自身も自覚があるようで「堕落の誘惑に強い性質ではないのでな」とこぼしている。(ここのカットのクルシュの可愛さは完璧。)
時には、プリシラのように女性性をも使うこと。アナスタシアのように自分の欲のために邁進すること。フェルトのように自分よりも明らかに力のある人間に対しても躊躇なく命令ができること。幼い頃から期待されて育ち、聡明・博学でもあるが故に、言葉は教訓めいていて、愚挙に限りなく近い革命的発想を肯定しづらい性分のクルシュ・カルステンの王らしさは、その実、まだ未熟なエミリアくらいとも言えます。
「顔を上げ前を向き、手を伸ばせ。私は卿の事をつまらぬ敵とは思いたくないのでな」
クルシュに忍び寄る“見えざる手”
そんなまだ20歳で、まともに恋もしてこなかった初心さも垣間見えるクルシュですが、演説は上手く、戦士たちから好かれる性質なだけに戦場の司令官としてはずば抜けていて、白鯨戦では、ヴィルヘルムやリカードらとともに戦乙女の名のままに大活躍します。
味方を鼓舞する力強い鬨の声の数々は、読者であるこちらとしても熱くなるところ! アニメでも存分にかっこよく描いて欲しいですね!
「――全員」
総攻撃、とそれを口にしようとして、
「――ぶちかませぇッ!!」(書籍版7巻より)
死に戻りを繰り返した末、ユリウスにぼこぼこにされた時とは別人のように青さのなくなったスバルを見直す場面は、リゼロの醍醐味としてこちらとしても盛り上がるところですけど、良くも悪くも聡明で気高いクルシュにももちろん良い影響を与えて。
ただ…そんなクルシュとスバルの友情が育まれる中、原作者である長月さんの“見えざる手”はしのびより…(笑)白鯨戦の後、スバルたちがペテルギウスと戦っている最中、新たに出現した魔女教大罪司教『暴食』によって、クルシュ・カルステンという王選最有力候補はまさかの記憶を無くしてしまうのでした。
「ナツキ・スバル様にその意思がおありでしたら、当家としてはいつまで滞在していただいても構わないのですが……そうも言えませんよね」(web4章1より)
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