アルスラーン戦記/王妃タハミーネがアルスラーンに冷たい理由【ネタバレ】
「大儀である。永遠なるパルスへの忠誠を期待します」
1話にて、整列した兵たちにテラスから厳粛な言葉を発したタハミーネ。
兵たちの士気を維持する恒例行事なのでしょうね、その一言を言い終え、侍女たちとともにあっさり引き下がるタハミーネに11歳のアルスラーンは追いかけて声をかけます。
「ああ、いえ……お待たせして申し訳ございません。……は、はい!父上のような立派な王になるために励んではいるのですが、なかなか上達いたしません…」
「いつもバフリーズに」
苦笑いしながら話を続けようとするアルスラーンに、目を閉じ、「そう」とだけ言って去ってしまうタハミーネ。
寂しすぎる親子関係。ですがこれにはいくつかの理由があります。
1.アルスラーンは実の息子ではない
ありがちではありますが、アルスラーンは王家の子、つまりアンドラゴラス三世とタハミーネの子ではありません。
二人の間には女児しか生まれませんでした。パルス公国は男児しか王位を継承できません。アルスラーンは、実の娘と引き換えに名もなき中流騎士の家からもらってきた子どもでした。
バフリーズは、2話のダリューンとの会話にて、この事情を全部ではないにせよ勘付き、憂えている描写があります。
「ダリューン、アルスラーン殿下に忠誠を誓ってくれぬか」
2.タハミーネは自分の本当の娘だけをずっと気にかけていた
タハミーネは本音では自分の娘を一心に気にしています。
それは表面的には王妃という理性的な人格がそうはさせていないものの、アルスラーンを憎んでしまうほど。
本当の娘はどこにいるのか? それは秘匿させたアンドラゴラス三世ももはや知らない様子。
アルスラーンの本当の生家である「名もなき中流騎士」の家は母親はアルスラーンを生んで難産で死亡、父親は戦争で戦死。娘は孤児に。
原作でもタハミーネの娘がどこにいるのか、まだ明かされていません。
アンドラゴラスは不器用ながら、タハミーネを愛していました。側室をとらなかったのもそのためですし、アルスラーンを迎え入れたのも、ひとえにタハミーネが男児が産めない王妃として批判を浴びるのを避けるため。
本当の子供を秘匿したのは、タハミーネの愛情が哀れな娘にいかないようにするためでした。
3.傾国の美女タハミーネの美貌と性格
タハミーネの美貌は絶世の美女級。それは武道一直線だったアンドラゴラス、信仰一直線で女性に目もくれなかったイノケンティウスが一目ぼれするほど。
ただ、タハミーネのためにかつてから男たちは争い、自殺者を出し、その末路は国の滅亡というのだからやりきれませんね。
タハミーネの性格はもともとなのか、それともこうした不幸の連続で鉄面皮な性格へと変化してしまったのか。
それは、アルスラーンを恨んではいても暴言や暴力にいかなかったこと、ルシタニアに捕らえられてもほとんど完璧に王妃の振る舞いを変えなかったことなどから、おそらく元から固い意思、慎ましく理知的な面があったのだとは思います。王妃という、ある意味無感情が強いられる立場もあったとは言え。
アルスラーンがタハミーネから、アンドラゴラスからも冷たくされていたのはこうした経緯からでした。
各伏線がシンプルで、それほど絡みに絡んでいるというほどでもないので、ある程度予想できた方は多いかもしれませんね♪
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