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幼女戦記/1話感想 ぅゎょぅι゛ょっょぃ。戦地に降り立つ幼女は悪魔かバケモノかそれともサラリーマンか【ネタバレ】

   


帝国西方――国境付近のライン戦線、帝国にとって共和国による不意の全面攻勢は完全に想定外、最悪の事態であった。

戦線崩壊に直面し対応に追われる帝国軍。辛うじて防衛線を死守し、対協商連合に向けて北進させていた主力部隊への転進を発令、司令部は各方面戦線への再配置を急ピッチで進める。しかし、やはり初動対応の遅れは致命的。初戦におけるライン戦線の被害は甚大を極めていた――地上に出現した地獄を駆け抜ける幼女戦記第一話『ラインの悪魔』のレビューです。

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近代ミリタリー風味な魔女っ子アニメ登場!


舞台となるのは第一次世界大戦末期のドイツに極めて酷似した異世界の『帝国』。

周囲を敵勢力に完全包囲され、帝国はその国境線上に最低限の守備隊を張り付かせ、前線が戦闘状態に入るたびに遅滞防御、主力軍本体を逐次移動させ、敵を退ける機動戦略を展開していました。


しかし今回戦況の読みが大きく外れ、ライン戦線が大崩壊してしまいます。そこで参謀本部は増援として新編成の航空魔導部隊を前線に投入――しかしそれは増援とは名ばかり、未熟な新兵を掻き集めた寄せ集め部隊だったのです。

未熟な増援部隊は苛烈な戦闘に巻き込まれ、劣勢と損耗を余儀なくされてしまいます。


敵は熟練の精鋭部隊。隠れ潜む前線の塹壕にすら砲弾が止むことなく炸裂し、爆煙と轟音の中で次々と多くの兵士が戦死していきます。

そんな地獄のようなライン戦線に、まるで似つかわしくない一人の美少女――金髪碧眼の幼女の姿がありました。


彼女こそターニャ・デグレチャフ少尉。後に『ラインの悪魔』と呼ばれることになる、この物語の主人公――

強くてニューゲーム!最強幼女異世界に降臨!


そんなライトノベルの『軽い』とは全く真逆の方向性で始まる血と硝煙渦巻く泥と鉄の香りがするお話。

大戦末期の敗戦ドイツを想起させる色々と窮乏状態な『帝国』、魔法科学の進んだ異世界を舞台に戦争というテーマを軸に展開されるドラマ、そこに活躍する僅か9歳の美少女士官の物語、これらが幼女戦記の骨子です。


何と言っても期待したいのは物語を構成する要素、近代現代風なリアルな世界観&戦争観に魔法というギミックですね。

2016年夏季に放映された『精霊ねじ巻き戦記 天鏡のアルデラミン』や、同じく2016年秋季に放映された『終末のイゼッタ』を連想させるものがあります。これらとどう差別化を図っていくのか、という点もアニメスタッフの腕の見せ所でしょう。


現代社会に近い舞台設計や倫理観。知識や常識がそれなりに視聴者と近い形ですので、ラノベ作者も割と描きやすいテーマです。物語内のお約束事も特に説明を必要としない利点がありますしね。


▲1話予告より

この作品の気になったポイントを挙げるとすれば、ひたすらソリッドで殺伐としたミリタリーナイズされた作風でしょうか。一言で言えば『むせる』雰囲気。血と硝煙が支配する過酷な戦場で泥にまみれ、地べたを這い回る――そんな戦場の一兵卒。『GATE~ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の様にヒロイックな要素すらありません。

ヒロインのターニャはチートキャラなので今後バリバリ無双していくのでしょうが、戦争をビジネスライクに『仕事』と割り切っているドライな性格なので、その辺りのバランスを今後どう取っていくのかも気になるところです。


ルーデルドルフ「この若さでエースとは驚きだな」


レルゲン「あれは…幼女の皮をかぶったバケモノです!」

賞賛どころか友軍の参謀から化物呼ばわりされちゃうくらいですからね。可哀想です。折角の見た目は麗しい美少女なのに。

ところで第一次世界大戦のドイツがモチーフな訳ですから、史実通りに進行するとぶっちゃけ負け確定なんですよね。果たしてターニャ達の活躍でそれをひっくり返せるのか…が気になるポイントでもあります。


そんな訳で戦場で鬼神の様に活躍する主人公、幼女なターニャ少尉ですが、ネタばらしをしてしまうと実は彼女、異世界(現代日本)からの転生者です。転生前は日本でビジネスサラリーマンをしており、しかもかなりヤリ手で出来るエリート。

まぁ転生者と言ってもこちらの世界で生まれ変わり、0歳からやり直ししているので前世の記憶や経験を引き継いでいる強くてニューゲームモノと呼ぶべきでしょうか。

現代日本での知識と、新たに生まれ変わったこちらの世界で習得した知識や経験を持っている状態。加えて転生ボーナスとして魔法能力の天賦の才が与えられています。ただしこちらはボーナスというより、ある種呪いと呼べるものかもしれませんが。


彼女のことをレルゲンは「幼女の皮を被ったバケモノ」と揶揄しましたが、実際のところ中身は現代日本のオッサンな訳なのであながち的外れな感想でも無いワケです。そういう意味ではレルゲンは直感的理解力に大変優れている軍人と言えるでしょう。さすがに参謀本部に抜擢されるだけのことはあります(笑)

ターニャの野望。帝国の未来はどこへ往く?


こちらの世界に転生した彼女(彼?)ターニャは社会的事情や周辺環境から軍人にならざるを得ませんでした。ですので今の彼女の目的は、無事昇進して安全な後方でのんびり余生(?)を過ごすこと。そのために任務を完璧に遂行し、上官から高い評価を貰うことを目的としています。

しかし予断を許さない戦況とその高い戦果から想いとは裏腹により戦いの激しい最前線へと送られる始末。


使い物にならないと判断した部下はさっさと切って捨てる容赦の無さ(自分の部下で死なれると査定に響くので後方送りにした上で始末する計算高さ)や、友軍の犠牲を目の前にしても任務遂行の前では優先順位を変えない非情さがあります。


ターニャ「(とはいえ、新人を早々に失っては今後の昇進に響くか…)」

しかし使える部下なら大事にしたり、体調を気遣ったり。また今後の戦況を考え敵精鋭を潰しておいたり、意外と周辺に配慮している様子も見られます。けして独善だけのキャラというワケではありません。もちろん自分の出世栄達第一なんですけど。


特にヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ伍長ことヴィーシャのことはお気に入りの様子、彼女の具申には反対しつつも最終的には折れ、受け入れている姿が都度見られます。


そして航空魔導師同士による高速飛行と魔法戦闘。基本的に武器がマシンガンではなく、単発で発砲するタイプの銃器なので空戦アクションにメリハリがあっていいですね。


魔法も術式を弾丸に込め、発射後着弾によって発動する演出。詠唱の術式起動演出とあいまってなかなか恰好良いです。マルチロックオンサイトや歯車が絡み合うのはどことなくロボットアニメ風なギミック感。


発射のシーンはどこのウィングガンダムゼロカスタムのバスターライフル発射シーン?とか思ってしまいました(笑)

今後ターニャ少尉とヴィーシャ、この2人が硝煙のむせる戦場で、どのような活躍を繰り広げていくのか――今クールが楽しみです。

放送後はボーナスエピソードも有り!


▲ミニアニメ#00より

本編があまりにもストイック過ぎる反動なのか、公式でコメディ要素の強い…というかコメディしかない短編アニメが配信中です。

『オーバーロード(ぷれぷれぷれあです)』や『Re:ゼロから始まる異世界生活』でもありましたが、こういったサービスは嬉しいですね。DVD/Blu-ray特典というのも有りですが、作業リソースに余裕があれば配信サービスでちょこちょこ作って、特典ではさらに追加で…とかあると、よりフックが広がると思うんですけどね。

ターニャ、TMGが食べたいそうですが欧州では(現代でも)衛生管理の概念上、生卵を食べるのは非常に危険ですからね。卵と米の入手はそれなりに可能かもしれませんが、お腹を壊す可能性は高そうです。戦時中だから食糧調達も大変でしょうし、どうしても食べたいのならやはり出世するしか手はなさそうです。そして極東帝国へ留学すると(笑)

(ごとうあさゆき)

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