ペテルギウスが愛する魔女サテラという存在
ペテルギウスは登場時より、視聴者に衝撃を与え続けました。一部の人に愛されながら…。(笑)
▲ やめてくれる?w
ペテルギウスの言動は、「怠惰」というフレーズ、それから指を噛み千切るほどの奇態とともに狂気に満ちています。ですが、形はどうであれ、その「愛」はいずれもただただ自分が崇拝している嫉妬の魔女サテラへ。
人々から畏怖され続けているサテラの存在の詳細は、謎です。アニメではスバルの心臓を掴む魔女の手として常々登場しますけど、6話でベアトリスやラムが説明していたように、諸々のための伏線というより世界設定のような存在に仕上げられていますね。
![ジュース_サテラ](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_サテラ.jpg)
「 」
▲ 21話ではついに口元だけ登場した 台詞はweb版ではお馴染みの「愛してる」。世の人のサテラに対する認識と実際のサテラの人物像との差異が示唆された場面でもある
実際彼ら魔女たちは、4章からようやくメスの入れられる存在。同時にリゼロの世界設定ないしは「裏舞台」の様々な謎にも迫ること、細かに散りばめられた伏線の回収劇の幕開けをも意味してもいます。その様相はまるで魔女たちが世界を作り出したかのようでもあり、web版を軸とするなら“一転して”というのが適切でもあって、視聴者を惑わさないよう、3章までを「表」としたアニメ版は一つの英断とも言えるでしょうね。
エリオール大森林での穏やかな日々
![ジュース_ペテ3](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ3.png)
そんな一つの舞台裏の時世、100年前に、ペテルギウス・ロマテコンティは愛称であるジュースとして生きていました。アニメや現行8巻までの書籍版だけを見ていると想像が難しいところですが、ペテルギウスことジュースは幼いエミリアと仲良くなれるほどの好人物でした。
もちろんロリコンではないです。(笑)少し心配性な面はあるけど慇懃で、まさに司教らしい人物といったところでしょうね、サテラと瓜二つということで、想い人の面影を重ねるようにエミリアを見ていましたが、エミリアの幸せをただただ願い、その愛は父性の、純粋な愛情と言えました。
「そう、なの……? 助けてもらったのに、泣いてるの?」
「悲しいから、泣いているのではありません……嬉しいから、喜ばしいから、幸せだから涙が出る……そんな幸いの涙も、あるのです。私はそのことを、他でもない……あ、あなたから……あなたたちから、教わって……だからっ」(4章102より)
▲ エミリアを初めて見たジュースの感涙っぷりを見てみると、エミリアが魔女サテラの生まれ変わりとか、娘であるとか、そんなストレートな考察をしてしまいたくなるところ
![ジュース_ペテ4](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ4.png)
また、エミリアの義母でもあったフォルトナ(エミリアの父の妹)とも親しく、その仲は幼いエミリアの子ども目線から母親と父親に見えるほど。(その過去を見たエミリアは、後々二人が理想の夫婦だったと考えました。)ちなみにエミリアお馴染みの「すごーく」は何もなければフォルトナ由来です。
ある日の悲劇
ですが、そんな森での穏やかな日々は長くは続きません。同じく大罪司教の強欲のレグルスと虚飾の魔女パンドラの襲撃によって。
![ジュース_ペテ9](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ9.png)
当時から大罪司教の地位にあったジュースは、魔女教創設者として一目を置かれていました。ですが、他の大罪司教に比べるとあまりにも非力でした。特に過激派に属し、魔女教でも最高戦力の一人レグルスはそんなジュースを歯牙にもかけません。
幼いエミリアとフォルトナを逃がすため、平穏な日々を守るため、ジュースは黒い小箱を使うことを決意します。入っているものは「怠惰の魔女因子」。魔女因子は選ばれた者は強大な力を手に入れるが、選ばれていない者は正気を失うかもしれない、下手をすれば死を招く、ファンタジー系列では馴染み深いアイテムです。
![ジュース_ペテ8](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ8-1024x577.jpg)
ジュースは怠惰の魔女因子に適合はしませんでした。ですが、二人を守る為に血の涙を流しながら魔女因子の力を押さえ込むことができ、あの「見えざる手」を使えるようになります。
「あの二人は、追わせない……ここから先へは、絶対に通さないの――デス!!」(4章118より)
▲ お馴染みの「デス」は魔女因子を取り込んでから使われるようになる
結果時間稼ぎには成功しました。ですが、それも大した時間にはならず、加えてパンドラの能力で誤ってフォルトナを殺してしまいます。…エミリアに面して感涙してしまうほど泣き上戸なジュースの心はたちまち壊れてしまいました。
![ジュース_ペテ7](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ7.png)
「なんと素晴らしいことですかああ!! 少女が、一人の少女がこれだけ傷ついてなお進むのです!!」
その後、同じくトラウマを抱えた幼いエミリアの暴走で森が凍っていた100年間、大罪司教として世の人々から畏怖され、スバルを追い詰めるくらいには。
15話でレムを守れなかったスバルにかつての自分を重ね合わせたのか、声のトーンを落としたように、そんな悲しい過去を抱えつつも、そっか…でもちょっと…というのがひたすら気持ち悪いアニメ版のペテルギウスではあります。(笑)100年前はイケメンだったかもしれないけどね!
![ジュース_ペテ](http://www.xn--p8ja1d9cb8mc.jp/wp-content/uploads/2016/08/ジュース_ペテ.jpg)
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Re:ゼロから始める異世界生活
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