にゅうにゅうす

主にアニメの最新情報をお届けします。

*

ワンパンマン/森口博子とおでんの屋台 サイタマはバブル・DB世代に安心感を持たせる現実的ヒーロー像の権化【ネタバレ】

      2016/04/18

ONEさん、村田さんの原作にはなかった、アニメオリジナルな展開を続々と見せているワンパンマン。

9話1
9話で展開された深海王編後編の話もその一つ。

9話_ジェノス3
御馴染みの開幕を告げるスタイリッシュなBGMとともに、始まったバトルシーンもとい壮絶すぎる戦闘アニメーション。ジェノスは油断して隻腕ながらも深海王に果敢に向かっていきましたが、その際、いわゆる目くらましな新しい技「雷光眼」(多分こんな漢字。)を披露して、原作よりずっと奮闘していました。

9話_ジェノス1

9話_ジェノス
「敵は、今ので最後なのか?」

それにしたって、台詞といい、シーンといい、脚本・演出のみならず作画班に愛され、音楽班にも愛され、現実は酷なもので負けると分かっていてもかっこよすぎるジェノスなのでした。

9話_ジェノス2

sponsored link


おでんの屋台と無免ライダー、それからED

森口博子さんによるEDは、当初から、そしてワンパンマンが話の中で盛り上がりを見せる度に上る話題の一つ。

どうして話題に上るかといえば、ワンパンマンがしっかり若者向けの最先端をいく今風のアニメとイメージされているからに他ならず、いわゆる昔のアニソンのEDを求めていなかった層が違和感を覚えるがためでもあります。

9話_one
▲ ワンパンマンは、ネット漫画が原作という、「小説家になろう」原作同様に、時勢を則っている側面がある

そんな森口博子さんがEDの発表当時、「母性をテーマに頑張って戦っている人への胸キュンソング」と形容していました。製作陣あるいは森口博子さんには、ワンパンマンを“そういう”層が見るだろうと考えがそもそもあったようです。(森口博子 ワンパンマン主題歌・新曲は「母性がテーマ」

そういう層とはつまり、そのままで言えば、母性や癒しを必要としている日夜仕事で奮闘しているような人と考えられます。具体的に言えばどういう層なのか、もっと掘り下げてみるなら、能力系バトルだとか、学園恋愛ものだとか、はたまたロボットものなのか、など主に作品のジャンルから考えたり、他にも絵柄が好きなど色々ありますけど、ワンパンマンはバトルもの・web漫画出という以外少々カテゴライズしにくい作品なため、どれにも通じている、主人公に対する共感意識から読み解く方がはやいでしょうね。

サイタマという主人公に求めているもの

そのアニメを好んでみている視聴者層は、多くが、主人公の言動に共感できたり、はたまたそういう風に在りたいと心のどこかで思っています。

9話6
「お前らちゃんと噂まいとけよ!最後に仕留めたのは俺だからな!本当はただ遅刻してきただけとかバラしたらぶっ飛ばすぞ!」

そこにくると、サイタマという主人公像はとても変わっています。従来なら、未熟だったのから力をつけていって周囲を見返したり、何かの大きな試合に勝ったり、女の子を攻略するなどが鉄板ですが、力があるにも関わらず誰にも評価されず、最近のアニメのような周囲からの英雄視を目標とする主人公最強系とはまた別のベクトルをいっている、評価も一切求めていないマゾのようでもある平熱系のサイタマの姿は、一見するとクールであるかもしれません。ですが、ここまでの不遇っぷりでは、残念ながら正直ほとんど誰も憧れはないでしょうね。

9話_ジェノス4
「(本当にそれでいいのですね?それが先生の進む道だというのなら俺は何も口出ししません)」
▲ そんなサイタマをひとえに慕っている一人、ジェノス

9話_ジェノス5
▲ だからこそのジェノス砲。(笑)

自分に力があれば、実力があってこなしたのなら、少しくらい、評価でなくたって、見返りといえる何かが欲しいのが人間ですから。それも溜め込んでしまえばストレスとなっていずれ破綻しまいます。

9話7
「クビの通知か?」
▲ サイタマ自身もまた、わずかだけどそんなストレスを感じている

では、共感もなく、憧れもないのなら、“そういう層”とは一体どんな層でしょうか。

仮に、仕事の失敗で上司に怒られたとします。失敗はなかなか致命的で、落ち込みます。ですが、別の人がもっと重大な失敗をしたことが判明しました。その別の人とは仲がいいです。あなたは、その人に慰めの言葉をかけたり、ご飯をおごったりするかもしれません。「自分の仕事の失敗なんて些細なことだ、俺も頑張ろう」

製作陣サイドが考えた、もしくは森口博子さんが感じたサイタマを求めている層は、この、自分の失敗や欠点による不安を消してくれる安心感だったのでしょうね。力があるのに無欲。それは自分にはできない。ちょっとでもご褒美とかほしい。(芸能人や身近な人の方がずっと安心感はあるでしょうけど)サイタマのような人がいるんだ。なら、日々の理不尽ともいえる仕事が耐えられるな。

ワンパンマンの視聴者層には、平熱系ヒーローという斬新さを求めているアニメに見慣れている人や、主人公最強系アニメを求めている若い人とは別に、報われなさを抱きつつ、それは不器用とも形容できるような、日々仕事を頑張っている人が多いのかもしれません。また、森口博子という昭和のアイドル・アニソン歌手を起用しているのもあってか、バブルの栄華や、主にバトル方面で、DBというアニメ黄金時代を知っているおじさんたちも多いようです。

おでんの屋台と無免ライダー

9話8
“そうした層”に中年の人も多いことは、森口博子さんの影響以外に、おでんの屋台を始めとした、作中でたびたび出てくる昭和テイストな雰囲気も由来しているでしょうね。

9話119話_アマイマスク
▲ オリジナルの展開として出てきたうどん屋。内装も凝っていた

9話_ドローン
そして、この居酒屋でサイボーグであるジェノスと、ちょっと場違い感すらある今風のアイドルちっくなアマイマスクを鉢合わせたり、無免ライダーと屋台でおでんを食べるにも関わらず、協会からはドローンが配達として使われていたりと、古さと新しさの混在を妙に主張しています。

それはワンパンマンの世界が、現実を投影していて、現実世界を表現している側面があるとも言い換えられますけど、そうなると、サイタマのヒーロー像もまたより現実的な偶像にならざるを得ません。(怪人が頻繁に出現するという点では現実的ではないのですけど。)

9話_サイタマ
サイタマのヒーロー像は、公式でも平熱系ヒーローと謳っています。ヒーローであるまえに、人間の、特に正義方面での熱さはことごとくウケなくなったクールジャパンの現実に、果たして本当に弱きを助けるヒーローというものが存在し得るのかという命題は、様々な現実世界での活躍を描いたヒーロー、しいては創作の数々で推し量ることもできます。ですが、サイタマ以上にその現実的なヒーロー像をビシっとつきつけて提示してみせているヒーローはいないのかもしれません。「先生」という呼称は、安心感はもちろん、森口博子さんの癒しソング同様、それを教えてくれる存在に対する親しみの呼称でもあるのかもしれませんね。

 - ワンパンマン

sponsored link
sponsored link

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

ワンパンマン/ジェノスのかませっぷりが割りとひどい サイボーグじゃなかったらきっともっと善戦してた【ネタバレ】

アニメも4話に入り、ジェノスとサイタマのやり取りも様になってきました。 5話では …

ワンパンマン/魅力的なキャラのフブキとキング 2クールなら確実だけど早めの登場がより大きなヒットの鍵かもしれない【ネタバレ】

3話が放映し、阿修羅カブトを打ち倒したサイタマ。(と、ジェノス) そのバトルシー …

ワンパンマン/6話感想 顔芸通り越して情緒不安定な気がしてきた タツマキとフブキ次いつ出るの?

6話だけではないですが(笑)、顔芸めちゃくちゃ出てましたね…w うん。サイタマ先 …

ワンパンマン/5話感想 オリジナルが入ってきた バトルもそうだけどDBを思い出した

5話ではヒーロー認定試験の話、師弟対決ということで、とりわけ楽しみにしていた話で …

ワンパンマン/ガロウ編の金属バットがイケメンすぎてやばい もはや主人公な浦飯幽助+DBな不屈の不良ヒーロー

「俺は…敗れたのか……」 「まだ意識あんのか」 「やっぱ強ぇーよお前」 アニメで …

ワンパンマン/4話感想 音速のソニック(笑)がかわいいw ジェノスの一番の功績は協会の存在を教えたこと

音速のソニックと言えば、ONEさんの原作からなぜか「音速のソニック(笑)」と、( …

ワンパンマン/2話感想 レオモンな獣王がかわいい!ジェノスはサイタマの孤独を救った…かもしれない

今季一番の期待されるアニメとして話題を呼ぶワンパンマン。 ▲ まだ髪のあった頃。 …